大切な車は自分で守る!カンタン車上荒らし対策
車上荒らしは年間約3万件発生している犯罪です。あらゆる手口を使って車の部品や車内の物を盗みます。
実は自転車盗難、万引きに次いで多いのが車上荒らしとなっており、いかに自動車を所有する方にとって注意しなればいけない犯罪かが分かります。
今回は防犯専門店の視点から車上荒らしの手口と、車上荒らしに遭わないための対策を解説します。。
車上荒らしで盗まれる物
車上荒らしの手口
狙われやすい時間帯、環境
簡単できる車上荒らし対策
まとめ
車上荒らしは車内に置いていた物を盗むだけではなく、車のパーツを盗むこともあります。例えば、パーツならタイヤやドアミラー、バンパーなど。こうしたパーツは海外に持ち出されて高値で売買されます。車内の物なら金銭、ゴルフバッグ、カーナビ、バッグなど分かりやすく金目になりそうなものが多いです。もしくは大胆にも車そのものを盗難することもあります。。
犯人はできるだけ短時間で楽に盗めそうなものに手を出します。短時間で楽に犯行を済ませるには奇をてらったような物ではなく、過去に事例がある物品、明らかに金目になる物に狙いを定めます。多くの犯人が盗むということはそれだけ盗みやすくお金になりやすいということです。 車のパーツに関してはどうしようもありませんが、まずは上記のような物を車に置き去り、置きっぱなしにしないことが車上荒らしを防ぐ第一歩です。。
車の窓ガラスを割って侵入する手口は、車上荒らしのなかでも最もスタンダードです。割れても目立たず大きな音がしないため。運転席や助手席横の窓が割られることが多いです。窓さえ壊せばあとは内側から簡単にドアを開けることができるため、犯人にとっては一番楽で手っ取り早い手段と言えます。また、鍵穴や配線に細工してエンジンをかけて車ごと移動して人目が付かない場所に移動して犯行を行うこともあります。
リレーアタックの手口はスマートキーが搭載された車を対象としたものです。スマートキーが発するごく弱い電波を受信機器で受信し、増幅させて車の解錠します。本来スマートキーは離れた場所からでも車の解錠ができるという非常に便利な機能ですが、リレーアタックそれを逆手に取った手段です。リレーアタックは、電波の受信担当、中継担当、車の解錠担当・・・と複数人で行われることが多いのが特徴です。窓も割らずに車を解錠できるため、無傷のまま車を盗難することもできてしまいます。 スマートキーは今やほとんどの車に搭載された便利な機能ですが、場合によって車上荒らしの手口にもなってしまいます。
コードグラバーとは、スマートキーのスペアをつくる機器のことです。スマートキーの電波を受信して自動的に読み込み、IDコードをコピーすることで疑似的にスマートキーのスペアになり、解錠はもちろんエンジン始動まで行えます。もしスマートキーを紛失したときに役に立ちます。 しかし近年ではそのコードグラバーの特徴を車上荒らしに悪用されるケースが増えています。コードグラバーでID複製されるということは、スペアキーが犯人の手に渡るということですので、無論車のセキュリティシステムは働きません。他人が自分の車を自由に扱えるようになったと考えるとその悪質さは明らかです。 また、コードグラバーはリレーアタックとは違い機器さえ持っていれば一人でも実行可能です。
車はいたるところに「CAN信号」というネットワークを配線しています。CANインベーダーはモバイルバッテリーのような形の機器でその信号に侵入して車のコントロールを奪い、解錠やエンジン始動を行う手口です。パソコンをハッキングして操作するのと同様に、いわば車をハッキングして解錠するというもの。海外ではすでに認知され始め、日本でも徐々にCANインベーダーの被害が増えています。 CANインベーダーは2021年頃に日本で初摘発された手口ですが、そこに車さえあればスマートキーが近くになくても犯行を行えるため、今後さらに被害が増えると懸念されています。
車上荒らしに狙われやすい時間帯は深夜から早朝にかけての時間帯です。理由は人通りが少なく周りに見られにくく、車の所有者も寝ている時間帯のため気づかれにくいため。特に夜22時~朝9時が狙われやすい時間帯です。
狙われやすい場所は1.自宅の駐車場、2.契約駐車場で、被害場所のうち全体の約60%を締めています。レジャー施設やコンビニ、スーパーの駐車場でも発生していますが、自宅と契約駐車場での被害に比べると件数が少ないです。これは主に自宅や契約駐車場は人目につきにくい、防犯対策が万全ではない、深夜に容易に侵入できることが要因だと考えられます。
ちなみに、狙われやすい車種もあります。実はプリウス、ハイエース、ヴォクシー、ランドクルーザーなどのトヨタ車が狙われやすいです。「自動車盗難事故実態調査結果」によると被害に遭った車種ワースト10は令和2年、3年ともにトヨタ車とレクサスで占めています。レクサスもトヨタの系列ですので実質上位10車種すべてがトヨタ発の車になります。 車上荒らしは外国の高級車が狙われるイメージが強いですが、トヨタなどの日本メーカーのパーツや車両は海外で高い需要があり、高値で取引されるため車上荒らしに狙われやすく、悲しいことにトヨタの高い品質が仇となってしまっています。 ちなみにもちろんトヨタ車に乗らなければ大丈夫というわけではありません。ベンツ、BMWほか、N-BOX、軽自動車も多数被害に遭っているため車を所有するすべての人は決して対岸の火事ではないのです。
車上荒らし、強盗や空き巣などの物盗り、窃盗を行う犯罪者は「できる限り早く、楽に、捕まらず、大金を得たい」という心理が働いている傾向が強いです。捕まったら大金を得る意味がありませんし、楽に盗めるのは時間的な早さに繋がります。早く盗めるということは人目につかず捕まりにくくなります。 そのような点から捕まらずに大金を得るために、逆に時間が掛かりそうで、手間が掛かりそう、犯行が見つかりそうな場所はターゲットから外していきます。 上記を踏まえて、どのような対策を取ればターゲットから外れにくくなるのかを車上荒らしというテーマに絞って解説します。
自分の車を車上荒らしから守るためにはいかなる場合も施錠が必須です。埼玉県警による令和3年の車上ねらいの犯行のうち、無施錠による被害は約6割といかに無施錠の状態が危険かどうかが分かります。短時間だけなら大丈夫だとつい思ってしまいがちですが、犯人によってはその隙にドアを開けて素早く金品を盗むということも考えられます。また、契約駐車場などの車が多く集まりやすい場所では手当たり次第に施錠を確認して無施錠の車を狙う可能性もあります。 短時間の駐車でも必ず施錠すること、帰宅時などもうっかり施錠を忘れないようにくれぐれも気をつけましょう。
車内に貴重品や金品などの置きっぱなしにしないようにしましょう。万が一ドアを開けられた場合にできるだけ被害を最小限に留めるためでもありますが、窓から車内を覗かれて盗めるものがあるかどうかを確認されることもあります。一回の犯行で盗めるものがあればあるほどターゲットになりやすくなるため、車内に置いておく必要がないものは置かない、特に貴重品の常備は避けたほうがいいでしょう。 また、短時間でも車から離れるときも同様にスマホや財布、バッグなどは必ず持つようにしましょう。自分の車だから車の中に置いておいても大丈夫だという油断が車上荒らしを呼び寄せます。
自宅駐車場、契約駐車場の防犯にはまず防犯カメラの設置がおすすめです。 防犯カメラは証拠撮影の役割もありますが、設置してあるだけで犯人にとってはプレッシャーになり犯罪を抑止する効果に期待できます。 捕まりたくない犯人は、駐車場に防犯カメラある場所とない場所であれば、よっぽどのことがない限り防犯カメラがない場所を好みます。したがって、一目で見て分かる場所に防犯カメラを設置しておくのがおすすめです。
▼個人でも設置できる屋外防犯カメラ
Dive-y WiFi屋外バレットカメラ GS-DVY011
なかには防犯カメラが壊されてしまうかもしれないと懸念される方もいますが、 もし壊されてもクラウド保存に対応している防犯カメラであれば 万が一のことがあっても録画データが残るため、犯人逮捕がスムーズになります。 また、防犯カメラがあればあるだけ壊すのにも時間や手間が掛かります。防犯カメラがなければやらなくていい手間を負うくらいなら最初から防犯カメラのない駐車場をターゲットにするため、なおさら防犯カメラは防犯における最適解のひとつと言えます。
▼クラウド保存対応防犯カメラ
センサーライト付き 防水屋外カメラ Dive-y ビームアイ ウィンク
契約駐車場など電気配線ができない環境の場合はトレイルカメラの設置が向いています。トレイルカメラは電池式で配線を必要としないため、駐車場以外の畑や庭、山の中の撮影にも重宝されています。電柱などのくくり付ける場所があれば簡単に設置できるため、威圧用に目立つ場所に1台、離れた場所に1台といった複数台の運用もしやすいです。
▼電池式のトレイルカメラ
赤外線無人撮影カメラ・ミニ STR-MiNi300
契約駐車場など電気配線ができない環境の場合はトレイルカメラの設置が向いています。トレイルカメラは電池式で配線を必要としないため、駐車場以外の畑や庭、山の中の撮影にも重宝されています。電柱などのくくり付ける場所があれば簡単に設置できるため、威圧用に目立つ場所に1台、離れた場所に1台といった複数台の運用もしやすいです。
防犯カメラのほかに防犯ステッカーを貼っておくのも有効的です。
防犯ステッカーは1,000円以下で手に入る非常に安価な防犯グッズですが、貼ってあるだけで目立ちます。もし防犯カメラやドライブレコーダーを設置していなくても、防犯ステッカーだけであたかも防犯カメラがそこにあるように見せかけることができるほどプレッシャーを与えることができます。証拠能力こそありませんが、安くて手軽に導入できるため、今すぐ防犯カメラ、ドライブレコーダーの設置が難しい場合はまず防犯ステッカーを貼りましょう。
▼安くて目立つ防犯ステッカー
また、防犯カメラを設置した上で防犯ステッカーを設置すれば、防犯カメラの存在感をより強めてくれるため、相乗効果にも期待できます。 防犯カメラの設置よりもっと安く済ませたい場合はダミーカメラと防犯ステッカーの組み合わせがおすすめです。ぱっと見では本物の防犯カメラと見分けがつかないため、防犯ステッカーと合わせて本物の防犯カメラがあるように見せて犯人を威嚇することができます。
▼本物にしか見えないダミーカメラ
防犯ダミーカメラ AT-902D
新しい技術ができたからといって車上荒らしなどの犯罪がなくなるわけではありません。時代とともに技術が進化するとそれに合わせて新たない手口を編み出し、巧妙に犯罪が行われます。今回取り上げた車上荒らしの手口から見ても、どんなに技術が新しくなっても犯罪と防犯はいたちごっこの状態なのは今後も変わらないでしょう。どの時代にも犯罪者がいるからこそ、自分の力で防犯をしなければいけません。
車上荒らしは車を持っている人にとっては凶悪な犯罪のひとつです。いつも運転している車のパーツが盗まれたり、ガラスを割られたり、スペアキーを複製されるなどのことがあれば、金銭的な被害はもちろん、一朝一夕ではすぐに復旧できないほどの多大な被害が発生します。車に愛着を持っている方であれば精神的な被害も大きいでしょう。
大切な車や私物を守るために、被害を少しでも回避できるように今から車上荒らし対策をしましょう。