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火事場泥棒とは、震災や台風などの災害時の大きな混乱に乗じて空き巣、窃盗、盗難を行う犯罪者のことです。2016年の熊本地震では発生から5日間で14件の盗難被害が出ており、2024年の能登半島地震でも被害が非常に懸念されています。
日本は地震や台風により甚大な被害が発生しやすい国です。誰しもが自然の被害に遭う可能性があると同時に、火事場泥棒に遭う危険があります。


今回は災害の混乱を狙う悪質な犯罪者から大切な財産を守るために、火事場泥棒が現れる理由と対策を防犯商品の専門店の視点から解説します。

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火事場泥棒が現れる理由
火事場泥棒が狙う場所
あらかじめできる対策
災害発生時の防犯対策
窃盗以外の犯罪にも注意
まとめ

火事場泥棒が現れる理由
多くの建物が無人になる

火事場泥棒が現れる大きな理由のひとつは、多くの建物が無人になることです。
大規模な災害が発生すると、自宅からの避難や店舗の休業などで家や建物が無人になってしまうことが多くあります。そうした状況が多くの建物で起きたり、家の倒壊や道路の損壊が発生すると、街中の人通りが極端に少なくなり人の目につきにくくなります。加えて災害の避難時はやむを得ずドアや窓を無施錠で避難するケースもあります。
泥棒は人目に付かない状況を選びやすいため、多くの建物が無人になることで連鎖的に火事場泥棒が犯行に及びやすい状況になってしまいます。

停電によるセキュリティの機能停止

普段犯罪の抑止になっている大手セキュリティ会社のシステムは多くが建物の電源から電力を供給しています。そのため、災害で停電が発生した際は機能が停止する可能性があります。予備バッテリーが搭載されているセキュリティシステムもありますが、長期の停電には対応できないものもあり、バッテリー交換や充電といったサービス対応も、道路の寸断や多くの建物への対応で平時に比べてスムーズに行えないことも考えられるため、災害時はセキュリティシステムのみに頼ると火事場泥棒の侵入を検知できない可能性があります。

警察が人命対応に当たっている

災害時は警察は主に避難誘導、交通整理、行方不明者の捜索救助にあたります。災害の被害が大きくなるほど膨大な対応になるため、防犯に人員を割くことができなくなります。本来はパトロールや検問、職務質問などの抑止活動で防げる犯罪も防ぎにくくなり、窃盗や空き巣が増加します。

災害地域の混乱

災害時は水道や電気が止まったり、避難を強いられたり、住んでいる街の崩壊など、思いもよらぬ大きな災害に被災者の気持ちに余裕がなくなります。また、最近ではSNSの発達により、災害に関するフェイクニュース、デマ・嘘情報の拡散が多く見られ、さらに災害現場や住人の混乱を招くこともあり、家の防犯のことをなかなか考えることができません。悪質な火事場泥棒は命からがら避難してきた住民の心の隙を狙います。

火事場泥棒が狙う場所
民家

特に大規模な災害では街全体で避難しているため、住民の留守が分かりやすくなり、民家への空き巣が発生しやすくなります。人通りの少ない場所に立地している民家でが狙われやすいだけでなく、大通りに面した民家も平時よりも人の目が少なくなるのでターゲットにされやすくなります。自宅の外にある車、バイク、自転車などの盗難被害も多く発生します。

店舗・会社

民家だけでなく休業中の店舗やオフィスビルも空き巣被害にも遭いやすいのが火事場泥棒の特徴です。会社、店舗は民家に比べて高価な備品や金目の物も多い傾向にあるため、より多い儲けを出す為に狙われます。災害時は路面店よりも人目に付きにくいオフィスやビル内の方が閉鎖的で狙われやすいと言われています。

避難所

大規模な災害では避難所での生活を余儀なくされる人が多くなります。多くの避難所は学校の体育館などで住民が集まってプライバシーやセキュリティがほとんどない状態で暮さなければならず、盗難や置き引きが起こりやすいです。
被災地域では物資が足りずに苦しい生活をしなければならないこともあり、その焦りや不安から正しい判断をすることができず、避難者が意図せず火事場泥棒になってしまうことがあります。

あらかじめできる対策

災害時は防犯よりも人命が最優先になるため、災害が起こってからでは防犯対策ができません。火事場泥棒の被害に遭わないために、あらかじめできる対策を講じておきましょう。

窓やドアに補助錠を設置する

電気を使わない補助錠は災害時の防犯に有効です。備え付けの鍵に加えて補助錠を設置するだけ開錠に手間取るため、早く気付かれずに盗みをしたい泥棒のターゲットから外れる可能性が上がります。停電時はコンセントからの給電ができないと容易に想像がつくため、普段抑止力となるセキュリティシステムや防犯カメラは泥棒に軽視される危険があります。そのため、電気を必要としない補助錠は災害時の防犯に役立ちます。

  • ▼窓・引き戸・サッシ用

  • ▼玄関ドア用

  • ▼窓用

玄関に防犯ステッカーを貼る

防犯ステッカーが貼ってあることで、実際にセキュリティシステムや防犯カメラが設置し、作動しているかどうかに関わらず、防犯意識の高い家だと意識させる効果があります。セキュリティシステム付属の防犯ステッカーの場合、長年の使用で劣化していると効果が薄くなるため、定期的に交換するか、市販の防犯ステッカーを購入して貼り付けることをおすすめします。

  • ▼防犯カメラ作動中

  • ▼24時間遠隔監視中

  • ▼防犯装置作動中

電池式のセンサーライトを設置する

侵入者を検知するセンサーライトの設置も有効です。人が近づくとライトが光るものは威嚇効果に、人を検知したり、窓割りなどの衝撃を検知して音が鳴るものは警報効果があります。センサーライトにはコンセント式もありますが、停電する場合を考えて、コンセントを必要としない乾電池式、ソーラー式のセンサーライトがおすすめです。

  • ▼ソーラー式センサーライト

  • ▼侵入感知アラーム

  • ▼音・衝撃検知チャイム

災害発生時の防犯対策
避難前に施錠する

防犯の基本は施錠、つまり鍵をかけることです。平時、緊急時に限らず、空き巣は無施錠の家での犯行が非常に多く、実際に2016年の熊本地震では「地震後は無施錠の家が多いので、盗みやすいと思った」という動機による窃盗未遂事件が発生しています。災害発生時も避難する前にできる限り窓やドアの施錠をしましょう。
ただし、命の危険が迫っている場合は必ず人命を優先してまずは避難し、身の安全を十分に確保した後に施錠しに行きましょう。

ライトをつけてから避難する

泥棒は無人の建物を狙う傾向が強いため、避難の前に懐中電灯据え置き型のライトを部屋に設置して明かりをつけることで家に人がいるように見せましょう。災害時は火災防止のためブレーカーを落とすことを推奨されていますので、ブレーカーを必要とする電気をつけるのは避け、懐中電灯など電池で動くライトを使ってください。

巡回・パトロール

火事場泥棒の被害を防ぐためには定期的な巡回やパトロールで、人の目を増やすことが大切です。その際、巡回をひとりで行うには限界がありますので、周辺住民とよく相談し、当番、担当を決めて交代で行うなど協力して防犯対策をしましょう。ただし、道路の寸断や家の倒壊、土砂崩れなどにより巡回に危険が伴う可能性があるため、人命を最優先し無理のない範囲で行ってください。
また、避難所を離れる必要がある場合は交代制にして無人の状態を作らないようにしましょう。

貴重品を肌身離さない

避難所で自分のスペースから離れる際は、貴重品を肌身離さず持ち歩くようにしましょう。また、リュックの中など自分の体から離れた場所に置いておくと寝ている間や目を離した隙に盗まれてしまう可能性があるため、紐をつけて首から下げる、ウエストポーチを活用するといった対策を取りましょう。

突然の声掛け、訪問を疑う

避難所という不特定多数の他人と過ごさなければいけない環境下では、性犯罪が発生しやすくなります。授乳中や着替えののぞき・盗撮、体を触られる、わざわざ隣に寝てくるなどの痴漢・セクハラ、強姦・強姦未遂など多くの被害事例があり、避難が必要な災害が発生した際に大きな問題になっています。また、こうした被害は女性や子どもが受けやすく、女性だけでなく親も気を付けなければいけません。
こうした性被害に遭わないために、避難所では複数人で行動する、防犯グッズを持ち歩く、声を掛け合うなどの対策が必要です。

窃盗以外の犯罪にも注意
性犯罪

火事場泥棒の中には警察官や自衛隊員になりすまして安否確認と嘘をついたり、業者の工事を装って家に侵入して窃盗をするといった犯行もあります。普段であれば身に覚えのないことに疑問を持つことができることも、災害時の混乱した状況下では冷静に判断できないことがあり、火事場泥棒もそれを狙っています。見た目が警察官や自衛官だからと信用してはいけません。突然の声掛けや来訪者があった場合は必ず身元を聞く、身分証を提示してもらうなど、普段よりもより慎重に疑うようにしましょう。

防犯ブザーは手軽に購入できて、なおかつ効果的な防犯グッズですのでおすすめです。 

▼ショコラ防犯ブザー

詐欺

災害が発生すると被災地、被災地以外での詐欺が増加します。被災地では水や食料などの物資が足りていない状況で通常よりも高価な値段で物資を売るぼったくり行為が発生し、実際に2024年能登半島地震では「国から依頼されて家屋の損壊状況を調査している」という業者が国からブルーシートの販売を依頼されたを言い、10メートルで1万円という高価な値段で売りつけようとしたという被害が発生しています。

また、災害に便乗した詐欺は被災地以外でも多発します。昔からよくある例では街頭で被災地募金を装ってお金を騙し取るといったものがあります。最近ではSNSが発達した影響で、SNSで嘘の義援金を募って銀行口座に振り込ませることでお金を騙し取るケースも増えています。

被災地や街頭募金で上記のようなことがあった場合、販売者や募金主催者の身元を確認するようにしましょう。SNSの場合は記載されている振込先が自治体などの公的な募金先であることを調べた上で募金をしましょう。

まとめ

被災地の混乱を狙う火事場泥棒は許しがたい犯罪ですが、実際にそういった悪質な犯罪が起こっているのも事実です。自分の命が危ぶまれ、先行きが不安な災害時、大きな混乱のなかで大切な物を守るために必要な準備とそういった状況になったときの心構えをよくしておきましょう。

また、今回紹介した内容は災害時だけでなく普段の防犯にも通ずる点が多くあります。災害が起きてしまってからでは防犯を考える余裕はありません。ぜひ普段から防犯を考えて平時も災害時も犯罪者から財産を守れるように備えてください。